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2010年3月 3日 (水)

雛人形の意味

Rimg1692今日は桃の節句。私の家には子供は兄と私しかいませんでしたので、桃の節句にはあまり縁がありませんでした。私の一番古い記憶では、5歳の時、幼稚園で桃の節句をお祝いした思い出があります。左の桃の形をした紙は、その時の写真が収められているものです。少し破れてしまっているのが残念です。48年前のもので記憶もあいまいなのですが、確か幼稚園の先生が作ってくれたものだと思います。

Rimg1694幼稚園では、女の子の節句などという感覚はなく、皆でお祝いしていたように記憶しています。前列の一番左で座っているのが私です。こんな50年近く前の写真が今でも残っているのがとても不思議です。

                                                      

                                                      

とかく桃の節句の雛人形は、美しさばかりが語られますが、その人形が持つ意味を知っていなければ、「日本人の美意識、美的感覚」なんてことばかりを語るようになってしまうと思います。「節句=節供」は桃の節句に限らず、邪気が入りやすい時期と言い伝えられ、自分たちの邪気、穢れを落とすためにかつては人型を川に流していました。今でもその行事が残っている地方がありますね。雛人形は私たちの邪気、穢れを落としてくれるためのもの、いわば私たちの「身代わり」になってくれるもので、「美しい」とだけで片付けられない日本人の精神文化の意味合いが強いものです。そうした精神的なものを抜きにして雛人形を通じて「日本人の美意識」を論ずるのは全くの見当違いです。精神的なものが失われてしまっていることが、戦後の日本の大きな問題であったのだと思うのです。

以前父親のことを記事にしましたが、彼は貿易を仕事にしていたのにも拘わらず、私には「外国カブレにはなるなよ。みっともないから」と言っていました。戦後の日本は欧米に傾倒し、古来の精神文化をどんどん捨てて行きました。私が大学で英文科に入る前に民俗学を専攻したのは、「英語だけできるようになってもどうしようもない。まず日本人であることの意味を知ることの方が先決だ」と思ったからです。

余談ですが、ポールが2002年に来日した際、京都の旅館で小さな庭を見て思わず「これこそが僕が見たかった日本の文化なんだ!」と言ったそうです。またジョンも日本の文化に魅かれ、日本文化を体感できるように草庵を造ることさえ考えていたようです。2人の天才が惹きつけられるほど、日本の文化は素晴らしいものだということではないでしょうか。

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コメント

赤井川塾さん

お父さんの手彫りのお雛様なんて最高じゃないですか!きっと魂が宿る人形になると思います。そういう手作りの心のこもったものこそが日本の精神文化を象徴するものなのですね。古いものだからとか、高価なものだからとかいうのは俗物社会のことで、精神文化とは関係ないことです。魂のこもったものは子孫に代々継がれていくようになるのだと思いますね。ぜひお子様のためにも実現してください!

投稿: JUN LEMON | 2010年3月 4日 (木) 14時56分

おおお!50年前のJUNさん!いかにも利発そうですね。

うちには女の子が二人いますが、二人ともホンモノの雛人形はデパートでしかみたことがありません。
私はいつか、自分の手で、木彫りの雛人形をつくりたいと考えています。

投稿: 赤井川塾 | 2010年3月 4日 (木) 11時39分

Oyataさん、今晩は!

何か偉そうに書いてしまった記事に、コメントして頂きましてありがとうございます。

日本の文化は「ハレ(晴れ=お祝い事や特別の機会)」と「ケ(普段の生活)」という考え方があるようです。そして「ケ」が「枯れる」と「ケガレ」=「穢れ」となるため、どうしても心身を清める「ハレ」が必要になります。今の日本は「ケガレ」の状態ですので、そのうち「ハレ」が必要になるときが来るのではないかと思います。

写真の雛人形を見て、そんなことを考えました。

50年前の私はドングリまなこですが、こんな時代もあったのですねえ。(笑)

投稿: JUN LEMON | 2010年3月 4日 (木) 00時24分

恥ずかしながらJunさんの記事を読んで
急いで私の小さなお雛様を出して飾りました。

今日から一週間くらい眺めさせてもらいます。繊細な精神性、日本が誇れるものだったのに今やひどいものです・・・
私も恥ずかしい・・・お雛様ごめんなさい。

50年前のお写真!かわいい!!

投稿: Oyata | 2010年3月 3日 (水) 22時46分

ノーバッドさん、コメントありがとうございます。

ノーバッドさんとビートルズを通じてお会いできたことは本当に幸運だったと思います。また今度お会いしたとき、当時のお話を聞かせてください。

偉そうに書いてしまい申し訳ありません。「美しい」、「きれい」とか「かわいい」だけで済まされてしまうのでは、日本の文化はそれこそ薄っぺらいものということになると思います。外面的な美しさとともに、大切な「精神文化」があることを忘れたくないと思い、思わず書いてしまいました。

投稿: JUN LEMON | 2010年3月 3日 (水) 13時15分

50年前のJUNさんですか!!
そして、その何年か後にBEATLESと出会ったんですね。
それが縁でオイラとも (^^♪

それにしても、同じ雛祭り。
考えていることの、なんと違うことか!!
お恥ずかしい・・・・ (-_-;)

投稿: ノーバッド | 2010年3月 3日 (水) 12時56分

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