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2008年10月11日 (土)

ビートルズの幻想を抱く人間に対するジョンの言葉

皆さんは映画「イマジン」をご覧になったことがあると思いますが、一番印象に残ったシーンはどこでしょうか。私は、前半の部分でジョンの家の庭に忍び込んだヒッピー風の青年とジョンが話しをするシーンです。この青年は見るからに職も持たず、ビートルズのことばかり考えている様子で、生活自体が「ビートルズ」になってしまったのです。ビートルズの曲にのめり込んだがために、幻想を抱いて生きている彼にジョンが説得をしたときの言葉です。

ジョン:人は夢(幻想)だけに生きれば、終わりだ。

この言葉には重みがあります。またヨーコがナレーションでこう語っています。

ヨーコ:ジョンはこうした人にいつも責任を感じていました。自分の曲が生んだのだと考えていました。

世の中に、この青年のように仕事もせずに、ビートルズのことばかり考えて生きている人間はそれほどいないと思いますが、時々、「この人大丈夫か?」と思ってしまうことがあります。昨日はまさにそんな人からメールをもらってしまいました。

「TEA PARTYに何で俺をゲストとして呼ばないんだ」とか「俺はビートルズの伝道師だ。俺に話しをさせろ」、「俺のトークによって愛を広める」、「俺は有名になりたいんだ」といった言葉を繰り返し、ほとんど要求のような内容のメールでした。「これってあの青年と同じではないかな?」と思ってしまいました。ジョンが生きていたら、きっと「馬鹿なこと言ってないで、早く目を覚ませ!」と言ったことでしょう。ビートルズに関するトークで「愛」が広められるなんて、本気で信じているのかと呆れてしまいました。そんなことより、自分の生活を確立させることの方が先決でしょう。

因みに、私がTEA PARTYを開くのは、ビートルズが好きな人たちと、ビートルズの音楽の素晴らしさを分かち合いたいからなのです。誰が主役というものでもありません。同じ気持ちを持った方々と一緒に楽しく過ごす時間は大変貴重です。そこから元気をもらって、また大変な仕事に戻っていけるのです。ただそれだけなのです。自分は参加者の皆さんから元気をもらっていますので、お金なんか頂けないのです。ビートルズを商売になんかしたくないですし。

まさかあんなメールをもらうなんて思ってもみませんでしたので、ジョンが心配していたような人が日本にもいるのだと、つくづく感じた次第です。幻想に浸って、自分では何もしない人々のことを、ジョンは死の直前のプレイボーイのインタビューでこう語っています。

PB:あなたにとって80年代の夢は何?

ジョン:自分の夢は自分で作る。何をやるのも可能だ。だが、ジョン・レノンやオノ・ヨーコやボブ・ディランやイエス・キリストがやって来て、君たちの代わりにやってくれるなんて思わないことだ。自分でやらなければだめなのさ。僕には君の目を醒ますことはできない。君になら、君の目を醒ますことができるんだ。僕には君の傷を治せない。君になら君の傷を治せる。

PB:そのメッセージを世間の人たちに受け入れさせなくしているのは何なのでしょう?

ジョン:未知なものへの恐れだ。未知なものとはそういうものなんだ。未知なものを恐れるからこそ、みんな走り回って、夢や幻想や戦争や平和や愛や憎しみやら、あるゆることを追いかけているんだ。みんな幻想なんだよ。

幻想、妄想を抱き続け、自分の人生をダメにしてしまうなんて、何と言う悲劇でしょう。でも本当にそういう人がこの世にいるのも事実です。

 

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