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2008年4月17日 (木)

ビートルズとインドの本

久しぶりに行った紀伊国屋には、他の本屋では見つからないような本がありました。さすがに「大書店」だと思いました。

Rimg2792 買ったのは『ビートルズと旅するインド、芸能と神秘の世界』。音楽のコーナーではなく、旅行ガイドブックのコーナー。別の本を探していたのですが、「ビートルズと旅するインド」というタイトルが目に入ったら、手に取らないわけには行きません。(笑)

著者は大東文化大学国際関係学部の井上貴子教授。この方をよく存知あげないのですが、私と同じ1957年生まれ。そうです!ジョンとポールが出会った年のお生まれで、東京藝術大学音楽学部楽理科のご卒業とのことです。インドのデリー大学にも留学、ラヴィ・シャンカールとも親しいそうです。(本の中にシャンカール夫妻と一緒に写っている写真がありました)そして不謹慎かもしれないけれど、おもしろいことにこの先生は大学時代に長唄を習ったり、ロックバンドをやったりもしている。女子プロレスラーではありません。(同姓同名のレスラーがいますが)

今までビートルズがインドで瞑想修行した時の写真集はありましたが、ビートルズとインド、インド音楽、信仰を論じた本は殆んどなかったような気がします。(少なくとも日本人が書いたものは)

音楽の専門家(しかもインド音楽の)が書いたこの本は、難しい内容だろうかと思ったのですが、大変読みやすく、ビートルズに関する記述もかなり正確です。ビートルズがインドで作った曲のリストや、インド楽器を使った曲の解説などが付録として掲載され、資料として大変役に立ちます。

「ビートルズとインド音楽」という項では、映画「ヘルプ」の撮影時にジョージが初めてシタールをいじったことに始まり、その後のビートルズの各アルバムで、インド音楽、宗教哲学がどのように影響を及ぼしたかが詳細に述べられています。シタールなどのインド音楽を使っているからインド音楽に影響を受けていたという単純な発想ではなく、各々の曲がどのようにインド文化、宗教哲学の影響を受けているか、本当に細かく述べられているのです。

ラヴィ・シャンカールという名前を知っていても、その生い立ちを知っている人は少ない。彼の生い立ちから、ジョージとの出会いまでをたどり、「ジョージのインド趣味」という項では、彼のソロ・アルバムにおけるインドの影響力について、ジャケット写真を示しながら論じています。

音楽の技術的なことは分からないけれど、インド哲学がどのような形でジョージに影響を与えて行ったかが良く分かりました。この本は、20世紀に西洋人がインドとどのように出会い、どのように影響されていったかを、日本人がまじめに、出来る限り客観的に考察した好著だと思います。

紀伊国屋に行かなければ、こんないい本に出会えなかったなあ。たまには大きな書店に足を運ぶべきですね。

この本を読んだあとで、インド楽器が使われているビートルズの曲のコンピレーションをやってみようという気持ちになりました。それから、シタールやタブラー、タンブーラなどのインド楽器で奏でられるビートルズの曲を、生で聴きたい気分にもなりましたね。そんなコンサート、どこかでやってくれないかな。

今日は“THE INNER LIGHT”を聴いて床に就きます。

http://www.youtube.com/watch?v=YhHm-5lKkZ0

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